新百合ヶ丘で増える「グレーゾーン」の子どもたち|発達障害との違いとは?
2025.07.16

こんにちは!神奈川県新百合ヶ丘にあるMETKIDSクリニック新百合ヶ丘です。今回は、「新百合ヶ丘で増える『グレーゾーン』の子どもたち|発達障害との違いとは?」についてお話をしていきます。
私たちが日々外来で向き合う中で、保護者の方からよく聞かれる言葉のひとつに「グレーゾーンってなんですか?」というものがあります。子どもの発達に関する情報が広がる一方で、その線引きや意味は曖昧なまま一人歩きしてしまっている印象もあります。この記事では、グレーゾーンとは何か、発達障害との違い、そして新百合ヶ丘という地域で今増えている背景について、小児科の立場からわかりやすくお伝えしていきます。
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目次
- 「グレーゾーン」とはどういう意味?
- 発達障害との違いはどこにあるのか
- なぜ新百合ヶ丘でグレーゾーンの子が増えているのか
- 困りごとは“診断の有無”とは関係ない
- グレーゾーンの子への対応に必要な視点とは
- まとめ
- 🌱初診をご希望の方へ
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「グレーゾーン」とはどういう意味?
「グレーゾーン」とは、発達の特性が見られるものの、医学的な診断基準には明確に当てはまらない子どもたちを指す言葉として広く使われています。たとえば、言葉が少し遅れている、集団に入るのが苦手、こだわりが強いといった特徴があっても、診断名がつかない、または“様子を見ましょう”と言われるような状態がこれにあたります。
この言葉自体は正式な医学用語ではありません。あくまでも“白(診断がない)”でも“黒(明確な診断あり)”でもない、という比喩的な表現です。そのため、保護者によって受け取り方が異なり、「大丈夫と言われた」と安心する方もいれば、「でも困っているのに何も支援が受けられない」と感じる方もいます。
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発達障害との違いはどこにあるのか
発達障害とは、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)など、医学的に定義された発達上の特性を指します。診断には行動観察や発達検査、医師や心理士による総合的な評価が必要で、その結果に基づいて診断名がつきます。
一方、グレーゾーンの子どもたちは、発達障害の診断基準の一部には当てはまるものの、すべてを満たすわけではなかったり、時期や環境によって困りごとの強さが変動するため、確定的な診断が難しいケースが多いです。つまり、“診断には至らないけれど、発達特性がある”という状態なのです。
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なぜ新百合ヶ丘でグレーゾーンの子が増えているのか
新百合ヶ丘は、子育て世代が多く住む地域として知られています。保育園や幼稚園の数も多く、教育意識の高いご家庭が多いため、子どもの発達に対する関心やアンテナが非常に敏感です。その結果、少しでも「うちの子、他の子と違うかも」と感じた時に、早めに相談に来てくださるケースが増えています。
また、周囲と比べやすい環境であることも要因の一つです。発達の個人差が大きい未就学児の時期に、集団行動の中で「できないこと」が目立ってしまうと、それが“遅れ”として強調されてしまいがちです。結果として、診断がつかないまま“グレーゾーン”と表現される子どもが目立つようになります。
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困りごとは“診断の有無”とは関係ない
重要なのは、「診断がついたかどうか」ではなく、「その子が日常生活で困っていることがあるかどうか」です。グレーゾーンであっても、日々の生活で強いストレスや不適応を感じている場合は、何らかの支援や配慮が必要です。
たとえば、幼稚園で指示が通りにくい、お友達とのトラブルが多い、こだわりが強くて生活がスムーズに進まないといったケースでは、家庭だけで対応しきれないこともあります。「まだ診断はついていないから」と我慢するのではなく、「今、困っていること」に焦点を当てることが、子どもの成長を支える第一歩となります。
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グレーゾーンの子への対応に必要な視点とは
グレーゾーンの子どもたちには、「今、どんなことがしんどいのか」「何が苦手で、何が得意なのか」を丁寧に見ていく視点が必要です。診断名に縛られるのではなく、その子の“特性の地図”を描くことが大切です。
また、保護者の方が「もっと上手に育てなければ」と一人で抱え込まないことも重要です。子育ては、家庭・医療・保育・教育が連携していくもの。グレーゾーンの子どもにも、適切なサポートが得られるような社会の仕組みづくりが求められています。
METKIDSクリニック新百合ヶ丘では、発達障害の診断が必要なケースはもちろん、診断に至らないグレーゾーンのケースについても、丁寧な観察と対話を重ねながらご家族と一緒に歩んでいます。初めての相談でも大丈夫です。「おかしいとは思いたくないけど、心配…」というお気持ちを、私たちは真剣に受け止めています。
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まとめ
「グレーゾーン」という言葉の背景には、診断の壁や社会的な誤解、そして支援の不足といった多くの課題が潜んでいます。しかし、もっとも大切なのは“診断”ではなく、“子どもが今困っていることにどう向き合うか”です。
新百合ヶ丘の地域には、子育てに熱心なご家庭が多く、その分、グレーゾーンの存在に気づく力も高まってきています。一人で悩まず、必要なタイミングで相談につなげることが、子どもの未来をより明るいものにしていく鍵となります。
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🌱初診をご希望の方へ
「少し相談してみたい」「うちの子もしかして…?」
そんなお気持ちを大切に、METKIDSクリニック新百合ヶ丘では初診のご予約を受け付けています。
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