幼稚園・保育園で浮く子の正体は?|新百合ヶ丘の医師が語る発達のグラデーション
2025.07.24

こんにちは!神奈川県新百合ヶ丘にあるMETKIDSクリニック新百合ヶ丘です。今回は、「幼稚園・保育園で浮く子の正体は?|新百合ヶ丘の医師が語る発達のグラデーション」についてお話をしていきます。
目次
- 「浮いて見える子」は本当に特別なのか?
- 発達は“グラデーション”でとらえる視点
- 気になる行動と発達の関係
- 親が戸惑いやすい3つの場面とは
- 保育の現場が教えてくれること
- 早期の支援が持つ本当の意味
- まとめ
- 🌱初診をご希望の方へ
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「浮いて見える子」は本当に特別なのか?
幼稚園や保育園に通い始めてしばらく経つと、「なんだかうちの子、浮いてるかも…?」と感じる瞬間があるかもしれません。他の子が集団で遊んでいるのに一人でいたり、ルールのある遊びが苦手だったり、すぐに泣き出してしまったりといった様子を見ると、「どうしてうちの子だけ」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
しかし、こうした“浮いて見える”行動は、必ずしも異常や病気を示すものではありません。むしろ、子どもたちの発達には大きな個人差があることを前提に考える必要があります。その差を理解するうえで大切なのが、「発達のグラデーション」という視点です。
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発達は“グラデーション”でとらえる視点
発達障害という言葉が広く知られるようになった一方で、「障害」と「健常」をくっきり分けて考えてしまう傾向も見られます。しかし実際には、発達の状態は明確な線引きができるものではなく、あくまで連続したグラデーションの中に存在しています。
たとえば、ある子が人見知りを極端にしてしまうとき、それは一時的な性格傾向かもしれませんし、自閉スペクトラム症の一側面かもしれません。その判断には、年齢、環境、生活背景など多くの要素を丁寧に見ていく必要があります。私たち医療者の立場から見ても、初期の段階では「この子は〇〇の診断がつく」と明言できることはほとんどありません。だからこそ、グラデーションとして発達を見つめる姿勢が何よりも大切なのです。
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気になる行動と発達の関係
では、実際にどのような行動が「気になる行動」として見られやすいのでしょうか。例えば、友達とのやりとりがうまくいかない、集団行動についていけない、急に怒り出す、極端なこだわりを見せるといった様子がその一例です。
これらの行動の背景には、脳の情報処理の仕方や感覚の受け取り方、注意の向きやすさなど、子ども一人ひとりの特性が関係しています。大人の目には「困った行動」と映っても、本人にとっては精一杯の表現であることが多く、そのまま叱ってしまうと子どもがさらに混乱したり自信をなくしてしまったりすることもあります。
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親が戸惑いやすい3つの場面とは
子どもの発達に関して、特に親御さんが戸惑いやすいのは、次のような場面です。まず一つは、先生や他の保護者から「少し気になる」と言われたとき。二つ目は、兄弟姉妹と比べて「何か違う」と感じたとき。そして三つ目が、家庭では問題ないのに園ではトラブルが起きていると知ったときです。
このような場面では、多くの方が「自分の育て方が悪かったのではないか」と自責的になってしまいます。しかし、子どもの特性は親の努力だけでコントロールできるものではありません。大切なのは、その子自身の力をどう引き出し、周囲がどう理解し、支えていけるかという視点です。
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保育の現場が教えてくれること
保育園や幼稚園は、家庭と異なり、多くの子どもたちと過ごす“集団の社会”です。そこで見える子どもの姿は、実はその子の「発達の現在地」を知るための重要な手がかりになります。たとえば、家庭では穏やかなのに園では落ち着きがない、という場合、それは環境への適応に時間がかかっているというサインかもしれません。
新百合ヶ丘の地域でも、先生方が子どもたちの小さな変化に丁寧に気づき、保護者と共有してくださる機会が増えています。こうした連携を通して、医療とのつながりが早期に持てることで、子どもにとって最適な支援が整えられるようになっています。
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早期の支援が持つ本当の意味
発達の問題において、「早く診断をつけること」がゴールではありません。むしろ、早期に支援につながることによって、子ども自身の困り感が軽減され、自信を持って生活できるようになることが最も重要です。早い段階で関わることで、保護者も子育ての不安を軽減し、より前向きに向き合えるようになります。
当院では、診断の有無に関わらず、「ちょっと気になる」「話を聞いてみたい」といった段階でもご相談を受け付けています。特に新百合ヶ丘のような地域では、周囲との比較からくる不安も大きくなりやすい傾向があります。その不安を一人で抱え込まず、まずは医療の視点からお話しできる環境があることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
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まとめ
幼稚園や保育園で「浮いて見える」子どもたちは、必ずしも問題があるわけではありません。発達のグラデーションという視点で捉えると、その子の特性が見えてきます。そしてその特性に早く気づき、支援につなげることができれば、子どもたちは驚くほど力を発揮していきます。
「ちょっと気になるかも…」という親御さんの直感は、何より大切な出発点です。その気づきを見逃さず、大人たちが寄り添うことで、子どもたちは安心して自分らしく成長していけるのです。
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🌱初診をご希望の方へ
「少し相談してみたい」「うちの子もしかして…?」
そんなお気持ちを大切に、METKIDSクリニック新百合ヶ丘では初診のご予約を受け付けています。
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