“子どもが話を聞いていない”のは聞こえ方の違いかも?
2025.05.10

こんにちは!神奈川県新百合ヶ丘にあるMETKIDSクリニック新百合ヶ丘です。今回は、「“子どもが話を聞いていない”のは聞こえ方の違いかも?」についてお話をしていきます。お子さんとのやりとりで、「なんで言ったことが伝わらないの?」と戸惑う方に向けた内容です。
目次
- 「聞いてない?」と思った瞬間
- 実は“聞こえていない”こともある
- 発達障害と“聴こえ”の関係
- 聞き取りにくさがもたらす困りごと
- ご家庭でできるサポート
- 最後に
- 🌱初診をご希望の方へ
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「聞いてない?」と思った瞬間
「何度も言ってるのに聞いてない」「返事はしてるのに行動しない」――日常でこんなふうに感じたことはありませんか?一見すると“話を聞いていない”ように見える子どもの様子。でもそれは、わざと無視しているのではなく、もしかすると“聞こえ方”に違いがあるサインかもしれません。親の声が耳に届いていても、その音が正確に言葉として処理されていないケースは、決して珍しくないのです。
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実は“聞こえていない”こともある
実際に、お子さんが音としては聞こえていても、「言葉の意味まで正しく認識できていない」ということはよくあります。特にテレビの音や生活音がある中で話しかけられると、その声が“背景の音”と混ざってしまい、何を言われたのかわからなくなるのです。また、同じ音でも一部の子どもにとっては「大きすぎる」「不快に聞こえる」といった感覚の違いがあることも。こうした聞こえ方の違いは、親が見ただけでは判断が難しく、子ども自身も「うまく聞こえなかった」とは言葉にできないことがほとんどです。
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発達障害と“聴こえ”の関係
発達障害を持つお子さんの中には、「聴覚過敏」や「聴覚情報処理の困難さ」を抱えている子もいます。これは耳の機能自体には問題がなくても、脳の情報処理の過程でうまく音を整理できなかったり、必要な音だけを選び取るのが難しかったりする状態です。そのため、教室で先生の声が周りの音にかき消されて聞こえにくくなったり、指示を聞き取るのに時間がかかってしまったりします。こうした特徴を知らずに「ちゃんと聞いて!」と繰り返すと、子どもはどんどん自信をなくし、親子関係にも影響が出てしまうかもしれません。
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聞き取りにくさがもたらす困りごと
“聞こえにくさ”があると、子どもは言葉の指示がうまく理解できず、誤解した行動を取ることがあります。たとえば「片づけてね」と言われているのに、「まだ遊んでいい」と勘違いしたり、「ごはんできたよ」が「お風呂できたよ」に聞こえてしまったり。さらに、そうしたミスを注意される経験が重なると、「どうせ怒られる」と感じて、自発的な行動が減っていくこともあります。言われた内容をすぐに復唱できなかったり、会話のテンポについていけなかったりすることで、「コミュニケーションが苦手」と誤解されてしまうこともあるのです。
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ご家庭でできるサポート
では、聞こえ方に配慮した声かけとは、どのようなものでしょうか。まずは、話しかけるときに子どもの正面に立ち、目を合わせることを意識してみてください。顔が見えることで、口の動きや表情から内容を補いやすくなります。また、指示はなるべく短く、ひとつずつに区切って伝えるようにすると、理解の負担を軽くすることができます。
加えて、子どもが聞き取りやすい環境を整えることも大切です。たとえば、テレビの音を消す、他の兄弟が話していないときに声をかけるなど、周囲の音を減らすことで、集中して声を聞けるようになります。「今から言うこと、しっかり聞いてね」と前置きするのも、耳を向ける準備につながります。
それでも聞き返しや聞き違いが多いと感じたときには、無理に何度も言い直すのではなく、「ちょっと聞き取りにくかったかな?」と子ども自身の感じ方を尊重しながら確認してみるとよいでしょう。
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最後に
“話を聞いていない”ように見えるとき、実は子どもは“聞こえていない”のかもしれません。発達障害や感覚の違いによって、耳から入る情報の処理が難しい子どもたちは、日常の会話でもさまざまな困難を感じています。でも、少しだけ伝え方を工夫することで、子どもが安心して話を受け取れるようになり、親子のコミュニケーションもよりあたたかいものになります。「ちゃんと聞いてる?」ではなく、「どう聞こえてた?」と問いかける視点が、理解への第一歩になるのです。
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🌱初診をご希望の方へ
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