ADHDという言葉をご存知でしょうか?ADHDは「Attention-deficit hyperactivity disorder」の略で、日本では「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれています。
最近、学校などでADHDの疑いのある子どもやグレーゾーンの子どもが増えているとの声も聞かれます。
それでは、ADHDとは具体的にどのような症状が現れ、どのように診断され、治療されるのでしょうか。順を追って詳しく見ていきましょう。

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ADHDという言葉をご存知でしょうか?ADHDは「Attention-deficit hyperactivity disorder」の略で、日本では「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれています。
最近、学校などでADHDの疑いのある子どもやグレーゾーンの子どもが増えているとの声も聞かれます。
それでは、ADHDとは具体的にどのような症状が現れ、どのように診断され、治療されるのでしょうか。順を追って詳しく見ていきましょう。
ADHDは主に子どもに見られる障害で、以下のような症状が特徴的です。
このような症状は「私も経験がある」「クラスにそんな子が何人かいた」と感じる方も少なくないでしょう。
集中できない子や、授業中にしっかり座っていられない子どもは「怠け者」や「手に負えない子」とみなされ、罰として廊下に立たされたり、居残りをさせられたりすることがあったかもしれません。
実は、ADHDという障害は1902年に特定されていましたが、診断が広まったのは1990年代になってからです。
この時期に医師たちがADHDへの理解を深め、診断しやすくなったのです。
また、現在のアメリカでは、4歳から17歳の子どもの約11%がADHDを持つとされています。
教育現場でADHDの子どもが増加しているとの報告もありますが、実際には教員たちのADHDに対する理解が進んできたためであると言えるでしょう。
誰しも集中できないことはあります。そのため、ADHDが障害であることを理解しづらくする要因となっています。
「お子さんは○○の数値が高いのでADHDです!」といった診断は行われません。なぜなら、そうした数値自体が存在しないからです。
両親や教師が「もしかしてADHDかもしれない」と考えても、専門家による診断がなければ確定的には分かりません。
ADHDの診断においては、「症状の深刻さ」が重要です。たまに忘れ物をするのと、毎日数回の忘れ物をするのでは、深刻さが異なります。不注意の症状には9つのポイントがあり、多動性や衝動性に関しても同様に9つのポイントがあります。
ADHDと診断されるには、これらのポイントのうち6つ以上を満たし、さらにそれらの程度がかなりのものである必要があります。
また、2つ以上の異なる環境で障害が見られることも重要です。
例えば、家庭では行動が問題にならないが、学校では衝動を抑えられない場合は、ADHDではなく他の原因が考えられます。
ADHDに対して薬を使うことに不安を感じる方も多いでしょう。特に子どもに処方する場合は、その不安が一層強くなるのは自然なことです。ADHDに関する薬は、大規模に研究されており、正しく処方された場合は安全であるとされています。
しかし、どうしても薬を使用したくない場合は、行動管理で治療を進めていくことも可能です。
この方法を続ける意志があれば、薬を使わずに治療することも十分に可能です。
ADHDの治療は、一朝一夕には進まないものです。しかし、ADHDという障害を理解し、真剣に向き合うことが何よりも大切です。
残念ながら、未だに多くの保護者や周囲の大人たちの中には、「精神疾患は努力や頑張りで治る」と考えている方がいますが、これは誤解です。支援なしで「治る・克服する」ことは難しいのです。
ADHDの本人も辛い思いをしているため、できるだけ早く診断を受け、適切な行動管理を行うことが重要です。
もしもADHDの可能性があると感じたら、専門家に早めに相談することをお勧めします。